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立地企業インタビュー

株式会社山口油屋福太郎

Profile

企業名 株式会社山口油屋福太郎
ホームページ HP
本社

福岡市博多区那珂6丁目27-16

福岡市南区五十川1丁目1-1

立地場所住所 【福太郎本社めんたい工場】
福岡市南区五十川1-1-1
【添田町めんべい工場】
田川郡添田町添田2282
電話番号 092-475-7777 
設立 明治42年3月(1909年)
代表者 代表取締役社長
田中 洋之
従業員数 【福太郎本社めんたい工場】
63名
【添田町めんべい工場】
60名
(令和1年12月現在)
  • 福岡地域
  • 筑豊地域

地域の皆様の思い出を残す廃校利用 株式会社山口油屋福太郎 代表取締役社長 田中 洋之

株式会社山口油屋福太郎は、平成26年に県内で初めて、廃校となった県立高校を有効活用して食品工場を建設しました。

Q1.事業概要について教えてください。


当社は、総ての人々に「食の幸」の満足を与えたいという思いで、総合食品流通業から総合食品企業としての転換を続けて参りました。
 現在は業務用食材卸事業をメインとし、明太子、「めんべい」の製造なども行っています。「めんべい」は、生ものである明太子を、違う形で多くの人に楽しんでもらおうと開発した商品の一つで、馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)ベースの生地に、明太子とタコ、イカを練りこみ、海の幸の旨味が詰まったせんべいです。美味しく、手ごろな価格で、軽く持ち運びもしやすいということなどが口コミで広まり、大ヒット商品となりました。
 その他にも、飲食総合ビル「天神テルラ」や温浴飲食施設「筑紫野 天拝の郷」の運営事業も行うなど、「食」に関する幅広い事業を展開しています。

Q2.廃校を活用した新工場建設について


「めんべい」は、福岡県添田町の英彦山工場で製造していましたが、売り上げが年々伸びてきたことで、増産体制を強化するため、同じ町内の廃校となった高校(旧田川商業高校)を活用し、新工場を建設することにしました。
 廃校を活用するにあたり、当社は地域の活性化に貢献したいという思いがありました。雇用の創出はもちろん、地域コミュニティーをさらに活性化させ、地域に居住してもらい、人口減少の歯止めになればという思いがあります。
 廃校活用は、イニシャルコストを抑えられるという利点もありますが、1番の利点は、こうした我々の思いに対し、地域の方々のご支援をいただけたことです。添田町工場の売店には、地域の方々によくお越しいただいています。その他、交通の便がよい、従業員の確保がしやすい、災害に強い場所に位置している点などの利点が挙げられます。
 また、施設の転用がしやすく、体育館に生産ラインを配置している他、校舎は社員寮に活用しました。ソフトボールの球技場は、そのまま女子ソフトボールチームで活用しています。
 従業員確保のため、添田町工場では、女子ソフトボールのチームを創部しました。選手全員が添田町工場で勤務し、同じ敷地内には専用グランド・トレーニングルーム・寮を完備しています。会社方針である「仕事とスポーツの両立」を心がけ、スポーツをしながら、仕事を楽しむことができる環境づくりに取り組んでいます。

Q3.福岡県で事業を続けて良かったと感じることは?


福岡県は、県全体で元気があり、魅力がある県だと思います。人口が安定していて人も集まりやすいため、働き手を確保できますし、人口規模が大きいため、県を一つのマーケットと捉えることもできます。
 また、交通インフラが発達しているため、運送に係るコストを抑えることができます。台風等の大きな災害の心配も少なく、気候もよいです。
 さらに、県や地元自治体の様々な制度(交付金や税制優遇)を活用しやすく、事業に取り組みやすい環境です。特に、立地した添田町においては、雇用に関しても全面的にサポートしていただきました。

Q5.今後の事業目標は?


廃校活用事業に関しては、熊本の廃校を活用し、日本食品㈱と共同で、大型鳥「エミュー」の観光放牧の経営を始めます。「エミュー」は、高タンパク、ヘルシーであり、油脂も価値が高いため、加工品製造や油脂を使用した化粧品製造、レストラン運営等の事業を行います。また、「エミュー」を飼育することで、イノシシなどの鳥獣被害対策にも期待できます。さらに、餌には、当社工場で廃棄する「めんべい」を有効活用します。 
 「めんべい」の事業に関しては、他県等のOEMの受注生産を行い、OEMの受注を継続して強化していきます。全国の食材を生かした「ご当地めんべい」を開発し、地域で購入し、食べていただける商品を今後も作っていきたいと思います。
 業務用食材卸事業に関しては、中食事業のセンター機能の部分を今後も強化していきます。
 福岡の食品の海外市場開拓、食材輸出事業の拡大を今後も強化していきます。国内マーケットだけでなく、海外のマーケットに事業を広げ、当社商品だけでなく、日本の「食」の魅力を世界にさらに広めていきます。

自治体へ今後期待することは?

今後、日本のものを国内だけで消費させるのではなく、海外に輸出促進していくために、輸出に係る食品安全等の規制基準の周知などを国や自治体に積極的に行ってもらいたいと思います。国や自治体が企業とともに輸出促進に取り組み、現状を打破できればと考えます。

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