ローム・アポロ株式会社

SiCの先駆者として「サステナブルな社会の実現へ」

徳永 孔二

ローム・アポロ株式会社
取締役工場長
※(取材当時)

徳永 孔二

事業概要について教えてください。

当社は、ロームグループの一員として、TR、LSI、SiCなどの半導体製品の製造を行っています。ロームの製品を採用して頂いているアプリケーションは様々で、スマートフォンや冷蔵庫といった家電製品、医療機器、発電システムなどの大型機器、ハイブリット車や電気自動車等の車載部品にも採用頂いております。
ロームグループの生産の特徴として、シリコン、SiC共に、原材料から最終製品が完成するまで、垂直統合ラインとして一貫生産体制を敷いております。この筑後工場ではインゴット引上げから回路パターンの形成、電気特性検査まで担当しております。2020年12月には新棟竣工し、新棟ではSiCパワーデバイスの製造を行っていきます。

福岡での事業進出・拡大を決めた理由は?

福岡での事業進出・拡大を決めた理由は? 創業者の牧之内繁男が目にした新聞広告が創業へと繋がります。その広告は、東洋電具製作所 (現:ローム株式会社)が地方に電子部品メーカーを設立する為に経営者を求めるものでした。その後、百数十社の応募の中から幸運にも候補に選ばれ、会社設立が決定しました。
第一号製品(炭素被膜固定抵抗器)生産時より品質に対して高い意識をもち、品質管理を徹底していた姿勢が東洋電具製作所(現:ローム株式会社)に認められ、信頼を得たことでディスクリート・トランジスタ製品の事業拡大に繋がっていきました。
2007年からSiCの開発プロセスを開始し、2010年に製品化が成功して以降、SiCパワーデバイスの量産を開始することに成功しました。その後、SiCパワーデバイスの中長期的な需要増加に対応できる生産体制を構築するため、2020年12月に新棟を竣工しました。

福岡県で事業を続けて良かったと感じること

福岡県をはじめ、九州には半導体産業のサプライヤーや関連企業が多く、また、高速道路や空港などの交通インフラが充実し、加えて、半導体工場に必要な地下水が豊富であることです。

今後の事業目標は?

サステナブルな社会の実現に向け、パワー半導体で大きな期待を集めているのが「SiCパワーデバイス」 です。 SiCパワーデバイスの優れた点は、電力変換の高効率化にあります。 また、小型軽量化も特徴の一つです。 デバイス自体の小型化に加え、高速動作の特性や、高温動作にも強く、バッテリーや冷却装置などの周辺部品やシステム全体の小型化も可能にします。
SiCパワーデバイスは、再生可能エネルギーや産業設備、インフラなど、様々な分野へ需要が拡大しており、多くの自動車でインバータや充電器などに採用されています。
ロームはSiCの先駆者として、さらなる躍進を遂げ社会に貢献していきます。

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企業PR 当社新棟ではBCP(事業継続計画)対策として以下の点に力を入れています。

  • 免震設備
    耐震構造の建物では倒壊するような 「震度7強」の揺れが生産ラインに影響のない 「震度5弱」 の揺れへ免震できる構造を採用しています。
  • 浸水対策
    過去の災害データを元に国土交通省がシミュレーションした浸水想定高を上回る「海抜11.6m」 を1Fフロアの高さとして設計しています。
  • 消火システム
    万ーの事態に備え、 無毒で人体に影響のない、 窒素ガスを使用した「NN100消火システム」 を採用しています。
  • 環境配慮型最新工場
    2020年に竣工した新棟では、再生可能エネルギーを100%活用する計画です。
  • OHT自動搬送システム
    本システムを導入し、人的ミスの根絶、 異物混入の防止対策を実施しています。
  • SMIF POD
    スミフポッドを使用したクリーンな生産ライン環境を実現しています。

このほか、人材確保の観点から、福利厚生の充実を図るため、職員向けの食堂や多目的ホールなどの機能を有した厚生棟の建設を行っています。

ローム・アポロ株式会社

本社 :
福岡県八女郡広川町大字日吉1164番地の2
立地場所住所 :
筑後工場:福岡県筑後市大字上北島883
電話番号 :
本社:0943-32-3000
筑後工場:0942-54-1832
設立 :
1969年11月6日
代表者 :
代表取締役社長 辻󠄀 辰雄 
従業員数 :
678名(2021年3月31日現在)
WEB :
https://micro.rohm.com/jp/apollo/

※内容は掲載当時のものとなります