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立地企業インタビュー

Hitachi- High-Tech

Profile

企業名 株式会社日立ハイテクノロジーズ
ホームページ HP
上場市場 東証第一部
本社 〒105-8717東京都港区西新橋1-24-14
立地場所住所 福岡県大牟田市手鎌1892-1
電話番号 0944-56-8520
FAX番号 0944-56-8521
設立 1947年4月12日
代表者 執行役社長 久田眞佐男
売上高 6,391億円
従業員数 10,504名
拠点数 国内19カ所、海外26カ国/地域(うち製造拠点 国内6拠点、アジア3拠点)
  • 該当地域

「福岡県から世界へ」 株式会社日立ハイテクノロジーズ 代表執行役 執行役専務 梶本 敏夫

社内風景

株式会社日立ハイテクノロジーズは、2001年に、株式会社日立製作所の計測器グループおよび半導体製造装置グループと、日立グループ唯一の専門商社である日製産業株式会社とが統合して誕生した会社です。

当社の基本理念は、あらゆるステークホルダーから「信頼」される企業をめざし、社会の進歩発展に貢献することです。また、公正かつ透明で信頼される経営を行い、持続的な成長を通じ、豊かな社会の実現に尽力することです。


Q1製品の紹介をお願いします。

全世界に対して供給し、ワールドワイドでトップシェア

福岡県大牟田市に新設した大牟田センタで生産する血液自動分析装置は、当社の主要製品の1つであり、皆さんが病院で受診された際に、採血された血液を分析する装置です。この血液自動分析装置は、病気の診断や生活習慣病、健康状態のチェックのために使われる装置です。当社は、日本国内のみならず、欧米、アジア、アフリカなど全世界に対して供給し、ワールドワイドでトップシェアを誇っています。現在、全世界の多くの病院で毎日稼動しており、1日で2百万人相当の血液検査が行われ、人びとの健康で豊かな暮らしを支えています。

  • 社内風景
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Q2東日本大震災による影響は?

震災発生から約2週間で出荷も再開

2011年3月11日に発生した東日本大震災で、茨城県ひたちなか市にある主要製造拠点が被害を受けました。主要な生産建屋2棟が損傷し、拠点全体の延床面積の26%、約4万㎥を解体する事態となりました。また、交通、エネルギー、水などのライフラインにおいては、生活道路の損壊・陥没、停電・断水が起こり、加えて主要交通網が不通となるなど、拠点での生産活動に大きな支障が生じました。

被害を受けた製造拠点では、血液自動分析装置や、その消耗品の生産を行っており、万一この消耗品の供給がストップすると、装置のユーザーである病院において、患者さんの病気の原因などを検査する機能が停止し、最悪の場合、人の命にかかわる影響が生じる可能性があります。このため、消耗品の供給の継続は、緊急事態であっても何より優先しなくてはならないことです。震災直後は、一時、拠点全体が稼働停止に陥り、生産ができなくなるなど大きな混乱があり、全世界の病院関係者に大きな不安を与えました。しかし、社員全員が、復旧に向けて努力した結果、震災発生から約2週間後には病院に納める製品や消耗品の出荷を再開することができ、病院で血液検査が行えなくなるという危機的な事態を回避することができました。

  • 社内風景
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Q3福岡県へ進出を決めた理由は?

緊急事態においても消耗品や製品の安定供給を続ける

東日本大震災のような緊急事態はまたいつ発生するかわかりません。震災までは、血液自動分析装置やその消耗品を茨城県ひたちなか市の製造拠点1拠点のみで生産していました。しかし東日本大震災後、緊急事態においても消耗品や製品の安定供給を続けることが、企業としての社会的責任を果たすことであると強く認識し、緊急時への備えとして事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の観点から、第二製造拠点を開設することとしました。

第二製造拠点の場所の選定にあたっては、①災害リスクが低い②事業環境が良い③投資コストを抑える④行政支援が良い の4点を選定基準に調査を行いました。

全国25ヶ所を調査しましたが、福岡県大牟田市が他の場所より総合的に優れていたため、進出を決め、2012年11月に「日立ハイテクノロジーズ 大牟田センタ」を開設しました。現在、血液自動分析装置および消耗品の生産を行っています。

区分 項目 福岡県大牟田市の評価ポイント
災害リスク 当社拠点との距離 製造拠点がある茨城県ひたちなか市から約1,100km離れており、同時に自然災害に遭う可能性が低い。
地震頻度 過去10年間で震度3以上の地震が1度も起こっていない。
事業環境 利便性 新幹線、空港、港が整備されており、日本国内、アジア各地へのアクセスに優れている。
人材確保 優秀な人材が豊富であり、特に理工系の学生が多い。
部材調達 自動車関連企業や半導体関連企業が多く、地場からの部材調達が可能である。
投資コスト 初期投資 土地の価格やオフィス賃料、従業員住宅家賃・車庫代などが安い。
ランニングコスト 住宅、消費者物価がリーズナブルであり、ランニングコストが比較的安い。
行政支援 県・市 助成金や優遇税制の親切な説明に加え、法規制についての早期対応支援やサプライヤー紹介をしていただける。

Q4福岡県へ進出してよかった点は?

なにより福岡県・大牟田市による行政支援が充実

福岡県大牟田市へ進出してよかったと考えている点は、なにより福岡県・大牟田市による行政支援が充実している以下の4点です。

  • 親切・丁寧な支援・サポート体制
    法的手続、許認可申請、地元関係企業のご紹介など、拠点の立上げに必要な情報のタイムリーな情報のご提供と、当社の疑問・要望事項の相談に対する的確なアドバイスをいただきました。
  • 企業のための多様な優遇・支援制度
    企業立地促進交付金(県)、立地奨励金(市)などの、制度活用にあたっては留意点をわかりやすく解説していただきました。この手厚いご支援により、初期投資の大幅な削減を図ることができました。
  • 人材、サプライヤー支援
    折込広告、就職相談会参加のご提案などによる優秀な人材確保へのご支援や、当社の事業形態にかなうサプライヤーを、スピーディーに、かつ協力的に斡旋いただきました。このことにより、スムーズに事業開始ができました。
  • 地元企業からの多大なご支援
    大牟田市という新拠点で事業を開始するにあたり、工事業者のご紹介や、地域との連携、従業員の生活環境整備にあたってのアドバイスなど、多大なご支援をいただくことができました。

このように、立地の選定から建設まで、福岡県商工部企業立地課をはじめ、大牟田市産業経済部産業振興課や、地元企業のみなさまには、ひとかたならぬご支援をいただきました。この結果、大変スムーズに工場を立ち上げることができました。また、拠点開設後も、円滑な運営にあたって、福岡県商工部企業立地課、大牟田市産業経済部産業振興課による、行政へのワンストップでの情報伝達など、手厚いアフターフォローをいただいております。

Q5今後の展開と可能性は?

福岡県・大牟田センタから世界のすみずみまで製品を供給し、 世界中の人びとの健康で豊かな暮らしに貢献

福岡県大牟田市へ進出したことにより、拠点開設時に考えていた以上に、福岡県における企業立地の素晴らしさに気付かされました。そこで、消耗品だけでなく、当初の計画にはなかった装置そのものの生産を計画し、2013年7月には、「大牟田センタ」内にあらたに「新ロジスティックス棟」を竣工し、装置の生産も開始致しました。

当社の生産している血液自動分析装置は、現在も新興国を中心に市場規模が拡大しており、また全世界でのマーケットシェアも順調に伸びています。

これからも、福岡県での事業規模を拡大させることで、さらにグローバルシェアを高めてビジネス拡大につなげていきたいと考えています。福岡県・大牟田センタから世界のすみずみまで製品を供給し、世界中の人びとの健康で豊かな暮らしに貢献していく所存です。

福岡県へ今後期待することは?

「大牟田センタ」の開設の折には、企業側の立場に立ったきめ細やかな対応とサポートをいただきました。おかげさまで、スピーディーな拠点開設を行うことができ、大変感謝いたしております。

現在も工場設備の変更申請等にあたっては、大変迅速な対応を頂いております。大牟田センタでは、生産品が「医療機器」に該当するため、生産拡大にあたっては、薬事法への対応が必要となります。今後とも引き続きご助力を賜りますよう、お願い申し上げます。

また、福岡地域には自動車関連企業、半導体関連企業が多く立地しており、優秀なサプライヤーが多数所在しております。より地元密着をめざし、引き続き地場サプライヤーとの関係を強化していきたいと考え、積極的に企業の相互交流などを行っていきたいと考えております。

今後とも、事業運営にあたり、これまで通りの対応をお願いするとともに、引き続き、温かいご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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