株式会社久原本家は、1893年に福岡県久原村(現・福岡県糟屋郡久山町)に創業した久原醤油をルーツとする総合食品企業です。「地元の醤油屋」として地域とともに歩み続け、“キャベツのうまたれ”をはじめとする量販店様向けの各種調味料を販売する「くばらコーポレーション」、北海道産の厳選たらこを使用した辛子明太子を販売する「椒房(しょぼう)庵(あん)」、地元久山町の山間にある自然食レストラン「茅乃舎(かやのや)」の3ブランドを展開しています。
2012年2月には、久山町猪野に敷地面積17,752㎡、延床面積8,503㎡の新本社工場が完成し、生産能力を増強するとともに、生産体制の整備再編を行いました。
私たちは、「モノ言わぬモノに モノ言わす モノづくり」の信念のもと、作り手の顔が見える素材を使い、永年培ってきた技術で安全・安心の製品を作るという姿勢を、これからも愚直に貫いていきます。
創業者が福岡県久原村の初代村長を務めており、また地元の方々の御支援により創業することができましたので、地元への想いは強いものがあります。
福岡は、インフラが整っており生活がしやすい、自然や教育環境に恵まれているといった部分は良いですね。
また福岡の強みのひとつは農業だと考えています。しかし、ただ単に農産物を購入するのではなく、地域で飼育・栽培された付加価値の高い生産品を、適切な価格で買い取らせていただく。それによって、地域の農業を支えられるし、6次産業(注)化の支援にもつながると思います。
本社工場前の農地では、ひとつの試みとして、地元の農家さんに唐辛子を契約栽培していただいています。収穫後は全量買い取り、弊社加工品の原料として使用させて頂く予定です。
更に福岡は、これからの成長が期待できるアジアへの窓口として好立地にあり、これを活かさない手はないと考えています。我々は今後、韓国、中国、シンガポールといったアジア諸国への事業展開にも挑戦していく予定です。
(注)6次産業
第1次産業の担い手である農業者が、第2次産業である食品加工や、第3次産業である流通・販売にも主体的、総合的に関わることで、加工賃や流通マージンなどの付加価値を農業者自身が得るようにして、農業を活性化させようという概念。
やはり福岡は、九州のリーダーとして、九州が進む方向性を示していく責任があると考えます。
たとえば東日本大震災などの災害への支援に関して、県はもっともっとリーダーシップを発揮して、支援策を展開していくべきだと考えています。一個人、一企業のできることにはどうしても限界があるので、そこで行政の果たしうる役割は小さくないと思います。
そしてこれから福岡が、東京や大阪、名古屋との違いを打ち出していくために、独自の強みを伸ばし、活かしていくことが必要です。地の利を活かして、たとえば中国語学習を支援し、「全国で一番中国語に親しむ街」として全国に発信する等、他にも「この分野では福岡が全国一」という強みを持つことで、地域の活性化や企業の福岡進出にもつながるのではないでしょうか。
また地元“福岡”で頑張って事業を行っている企業の支援も、県にはお願いしたいですね。
たとえば、地元で事業を展開していこうとするときに、各種もろもろの規制でがんじがらめになってしまっていて、結果的に企業活動が阻害されてしまっていることがあります。厳しい規制が必要な事情も分かりますが、地域に貢献する企業活動に対し、是非、大きな視点で行政としての積極的な支援をお願いしたいと思っています。